ゴールデンスランバー / 伊坂幸太郎

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Posted on 22nd 1月 2011 by emergent in 読書

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逃げる逃げる、ひたすら逃げる。主人公の青柳雅春は首相の爆殺事件の犯人として、事件発生直後から警察に追われることとなった。街中に個人情報収集の機械が配備された仙台市(という設定)の中で、様々な偶然や必然に遭遇しながらとにかく逃げ続ける。主人公自身、過去の配達ドライバー時代に強盗事件からアイドルを救い時の人となったり、その後痴漢の犯人に仕立て上げられそうになったりですでに有名人。マスコミがテレビで盛んに事件を煽る中、どこまで逃げ切れるのか…。


というわけで、今回は、初めての伊坂幸太郎作品。今年に入って「火車」「理由」という複雑なミステリを読んできた頭にはすごくシンプルにすっきり読めた小説でした。「何者かわからないが何か巨大な陰謀」に犯人に仕立てられいきなり始まる逃走劇、しかし、行く先々で過去の友人や見知らぬ人に助けられながらギリギリの縁で逃げ続ける様が非常にスリリングに描かれていて没頭して楽しめました。大学時代・ドライバー時代の記憶や出来事が逃走中の各シーンとリンクして、逃走経路が出来上がっていく。孤独な逃走の背後にある他の登場人物のサポートが、スリリングな展開の中にも温かい気持ちにさせてくれる話だと感じました。

映画化しやすそうな作品、と思ったらとっくに映画化してたんですね。なんてこった知らなかった。

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