毎日新聞で連載中の、西原理恵子が自身の家族との生活を題材にした漫画。映画化のタイアップでTSUTAYA GALAPAGOS書店でも特集が組まれていたので、1〜4巻まで購入して読んでみました。
最初の一巻は「カニ母編」というタイトルです。2巻以降が出せるか微妙だったので敢えて1と付けなかったのだそう。絵はいかにも西原理恵子という感じで、その絵と一体化した手書き文字は慣れないと読みづらいかもしれないですが、読んでいくとずんずん引きこまれます。
新聞紙上での連載ということで毒づきは最小限なのに、そこは著者の家庭の元々のおかしさと著者の独特な視点からの家族描写により、ドタバタなシーンや少しほろりと来るシーンがいい感じで混ざり合って全体を構成しています。
印象的なのは、アルコール依存症で夫と離婚した(現在は復縁しているそうですが)にも関わらず、元夫と二人の子どもと著者本人を含めた4人の家族描写が、やはり一番温かいというか愛情に溢れていると感じられた点です。普段は奇行に振り回されながらも、最後には親子・夫婦の絆を再確認できるところが、本書の良いところだと思いました。
映画化にあたり、夫婦役を小泉今日子と永瀬正敏の実際の元夫婦が演じるということで、キャスティングも話題性がありますね。予告編を見ましたが漫画でのドタバタ描写はそのままで、これをどのように一編の映像作品としてまとめたのかに興味があります。久しく邦画は見ていませんでしたが映画館に足を運んでみたくなりました。