加賀恭一郎シリーズの最初の作品。読んだのは「どちらかが彼女を殺した」の方が先ですが、直後に読んだのでこちらを先にご紹介。
単行本刊行時のタイトルは「卒業―雪月花殺人ゲーム」だったそうな。雪月花というのは茶道の中でのいわばカードゲーム。本作では、私には馴染みの薄い茶道と剣道がメインで取り上げられています。女子大生の牧村洋子がアパートの自室で死亡しているところが発見されたのを発端に、同級生が死の真相に迫ろうとするも、さらに事件が起こる…。
次作以降では刑事として登場する加賀恭一郎も、本作では大学生。しかし、理詰めで真実を突き止めていくさまは次作以降とも変わりません。ストレートな物言いが特徴だけども、大事なところでは相手を思いやる優しさも見せるというキャラクターは、ストーリーの中で自己主張が激しすぎずすんなり読めました。