伝える力 / 池上彰

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Posted on 28th 1月 2011 by emergent in 読書

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テレビで引っ張りだこだったが先日引退を発表した池上彰氏の著作。もとは2007年に発行された新書ですが、GALAPAGOSで電子書籍で売っていたので買って読んでみました。タイトルの通り会話や文書で「相手に内容を伝えるためのポイント」が、NHKで記者やキャスターを歴任した池上氏の体験も踏まえて解説されています。


文章は、非常に平易で読みやすいながら、ポイントをきっちり押さえて書かれていると感じました。本人も随所で言うように、NHK週刊こどもニュースで培ったと思われる「わかりやすく説明する」が徹底されています。(そりゃそうですよね) 説明が必要な単語にも決してくどくならない解説がついていて自然に読み込めます。これだけシンプルに書けるのは、やはり本人が説明するべき対象を深く理解しているからだと思い知らされます。

週刊こどもニュースでの体験談では、このようなことが書かれています。

 この「週刊こどもニュース」では、本当に勉強させてもらいました。誰にかといえば、それはなんといっても、子どもたちに、です。
 子どもたちは当時の私にとって、デスクであり、先生でもありました。
 大人には通じる”常識”が子どもには通じない。知識も社会経験も、大人に比べると少ないのですから当たり前です。
 その子どもたちに、どうやって世の中で起きている事件や事故、出来事をわかりやすく伝えるか。これが大変だったのです。
 基本的な作業としては、まず、NHKが大人向けに伝えたニュース原稿を子供向けに書き直します。その書き直した原稿を放送前に子どもたちに読んで聞かせます。子どもたちが「わからない」と言ったら、わかるまで書き直すのです。
(中略)
 子どもたちに”ダメ出し”されることによって、私たちスタッフは多くのことを学びましたから、子どもたちは先生でもありました。

この体験だけでなく、ひたすら「相手に伝える」ことを生業としてきた人の蓄積した伝えるノウハウが短い本の中にぎっしり詰まっています。細かいところでいえば文章の助詞の使い方のことまで書かれています。そういう細かいことの積み重ねで「伝える力」が決まるのでしょう。

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